ハムスターは温度変化にとても弱い生き物です。
暑すぎると熱中症になり、寒すぎると疑似冬眠になり死亡する可能性があります。
ハムスターを飼育する上で温度管理は非常に重要なポイントです。
今回は、ハムスターの適温について詳しく見ていきましょう。
ハムスターの適温と湿度対策
まずはハムスターの適温と最適な湿度について見ていきましょう。
ハムスターの適温と最適な湿度
ハムスターの適温は20℃~26℃、最適な湿度は40%~60%です。
人間が感じる最適な温度と湿度に一致します。
季節に限らず、適温と湿度を一定に保つことが大切です。
温度管理について
温度管理は季節ごとによって異なりますが、共通する点があります。
それは、温度計を設置することです。できれば湿度計付きのものが良いでしょう。
温湿度計を設置する
ハムスターを飼う上で必ず行ってほしいことは、ケージのそばに温湿度計を置くことです。
私はこの温湿度計を設置しています。
amazonで数百円程度で購入できます。見た目もかわいいのでおすすめです。
温湿度計を置くことで、温度と湿度を把握することができます。これが分からないと、そもそも温度や湿度の上げ下げの判断がつきません。
湿度管理について
湿度が変化すると以下のような現象が発生します。
湿度が40%以下の場合
湿度が40%以下になると、空気が乾燥し始めます。
空気が乾燥すると、のどや鼻が痛み始め、目や肌も乾燥し始めます。
また、インフルエンザなどのウイルスが発生しやすくなります。
冬にインフルエンザが増えるのは湿度が影響しているからです。
ハムスターは人間以上に敏感なので、乾燥には十分注意が必要です。
湿度が60%以上の場合
湿度が60%以上になると、空気が湿り始めます。
空気がジメジメと湿ってくると、ダニやカビが発生しやすくなり、ケージ内が不衛生になりがちです。
特に夏場は湿度が上昇するため、湿気に注意するようにしてください。
恒温動物と変温動物
体温を一定に維持できる動物を恒温動物と言い、周囲の温度によって体温を変化させる動物を変温動物と言います。
ハムスターは冬眠することがあるため変温動物のように思えますが、恒温動物(哺乳類)です。
ヘムスターが疑似冬眠する際は、代謝を下げて周囲の温度まで体温を下げます。
変温動物の冬眠に似ていますが、似て非なるものです。健康に良い物ではないため、できる限り疑似冬眠させないようにしましょう。
では、各季節ごとの温度対策を具体的に見ていきましょう。
ハムスターの夏の適温と湿度対策
夏はハムスターを飼い始めるにはおすすめできない季節です。
夏は全国的に平均気温が高く、湿度が高くなります。
ハムスターの飼育に慣れている方であれば問題ありませんが、初めて飼う方にとっては飼育が難しいため、秋から飼った方が無難でしょう。
夏の温度管理
夏の場合、まずは室温を適温の26℃以下にすることが大切です。
30℃を上回るとハムスターが熱中症になってしまいます。
エアコンを使うのがベストですが、エアコンを使いたくない方は、100均や他の方法でも暑さ対策をすることができます。
詳しくは夏の暑さ対策記事で解説しているので、そちらで確認して下さい。
夏の湿度対策
温度以上に難しいのが湿度対策です。
日本の夏は非常に湿度が高く、じめじめしています。下記の内容に注意して、湿度を管理してください。
・濡れた床材があれば取り除く
飲み水が垂れた床材はすぐに取り除きましょう。ケージ内の湿気が増してしまいます。
・トイレ砂の交換をこまめにする
トイレは毎日掃除をしますが、トイレが濡れていることに気づいたらすぐに取り変えるようにしてください。
・野菜などを与える時は一口大にする
野菜など水気があるものを与える時は、一口大にして一度に食べきる量にしましょう。
・涼しい場所にケージを置く
直射日光が当たらない涼しい場所にケージを置きましょう。
なお、ハムスターは汗をかかないため、風を当てても不快に感じるだけで清涼感は感じません。
エアコンや扇風機の風はケージ内に入らないようにしてください。
・金網ケージは非推奨
風通しを良くするため金網ケージにしましょう!というサイトや飼育本がありますが、金網ケージはおすすめしません。
そもそも、ケージの上部が開いていれば空気は問題なく循環します。脱走できない高さのガラスケージや水槽、プラケージで飼育しましょう。
金網ケージは歯の不正整合や落下による怪我のリスクが高いです。
風通しだけを考えて金網ケージにすることはおすすめできません。
・除湿剤はケージ外に置く
除湿剤を齧るとハムスターの健康を害するので、除湿剤はケージ外に置きましょう。
ケージの上などに置くのも良いでしょう。
ハムスターの冬の適温と湿度対策
冬場はハムスターの飼育が一番難しい季節です。初心者にとっては鬼門の季節と言っていいでしょう。
温度が下がると命に関わるため、何よりも温度管理が重要です。
冬の温度管理
冬場は全国的に平均気温が冷え込みます。
室温が20℃を下回ると適温から外れストレスを感じ始めます。
室温が15℃を下回るとハムスターが寒がり始め、震えが始まる可能性もあります。
10℃を下回るとハムスターの動きが鈍くなります。
5℃を下回ると疑似冬眠によって死亡することがあります。
冬の場合、適温の20℃以上になるように温度を管理してください。
温度管理をする具体的な方法は、冬の寒さ対策記事でまとめています。そちらからご確認ください。
冬の湿度対策
日本の冬は乾燥します。湿度が低下すると、ハムスターも体調を崩しやすくなります。
・加湿器はケージ外に置き、射出口を向けない
加湿器を設置する場合は必ずケージ外に置き、霧が出る射出口をケージ内に向けないようにしましょう。
直接霧をかけると、湿度が高くなりすぎます。
・肌荒れに注意する
乾燥すると肌荒れを起こしやすくなります。肌に異常がないかどうか、こまめに確認するようにしましょう。
・風邪に注意する
ハムスターも風邪をひきます。人間であれば風邪は大した影響はありませんが、ハムスターにとっては重大な病気です。
鼻水や発熱など、風邪の症状が出ていないか注意してください。
ハムスターの春の適温と湿度対策
春は出会いの季節。ハムスターを飼い始めるにあたっておすすめの季節です。
温度や湿度も管理しやすく、初心者にとっても飼育しやすい季節でしょう。
春の温度管理
冬の寒さ対策を徐々に外し、夏の暑さ対策にシフトしていく作業が必要です。
・ヒーターを外す時は徐々に慣らす
冬場にヒーターを使用している場合は、急に外さないようにしましょう。
ヒーターを徐々に弱めて、周りの気温に慣らす形で日数をかけてヒーターを外してください。
急にヒーターを外すと、体温調整がうまくできず、体調を崩す時があります。
・暑さ対策の準備を整えておく
春は熱中症の心配はありません。また、疑似冬眠がおこる確率も低いでしょう。(地域にもよります。)
梅雨が明けると急に気温が跳ね上がります。
暑くなってから対策をし始めるよりも、暑くなる前に準備を始めてください。
春の湿度対策
春の湿度対策と言えば、梅雨です。
・梅雨に注意
梅雨の時期は雨が連日で振るため、湿度対策が重要です。なお、梅雨の時期以外は湿度対策は必要ありません。
梅雨の時期は、基本的に夏場と同様の湿度対策をしましょう。ケージ内の湿気に注意してください。
・細菌に注意
また、梅雨は細菌も増えやすい時期です。
雑菌や細菌が増えないよう、ケージ内の掃除はこまめに行いましょう。
ハムスターの秋の適温と湿度対策
秋は春に次いでハムスターが飼いやすい季節です。
日中については温度・湿度ともに安定しており、初心者の方もハムスターを飼い始めるには良い時期と言えるでしょう。
ただし、夜は冷え込むことがあるので注意が必要です。
秋の温度管理
秋に考えることは、日中と夜の寒暖差です。
・日中と夜の寒暖差に注意
日中と夜の寒暖差によってハムスターが体調を崩すことがあります。秋は急に夜冷え込むことがあるので、夜に注意して温度管理をするようにしましょう。
常に20℃~26℃を保つことが理想ですが、それができない場合は、夜に15度を下回らないことに注意してください。
秋であれば熱中症を心配する必要はありません。低温にならないようにしてください。
秋の湿度対策
秋はほとんど湿度を心配しなくても良い季節です。
何もしなくても湿度は40%~60%に落ち着くでしょう。
・温湿度計を見ることを忘れない
ほぼ湿度を心配する必要がないとはいえ、温湿度計を見ることは忘れないようにしましょう。
何らかの予期せぬ原因によって、湿度が上昇・低下しているかもしれません。
もし異常が起きたら、原因を考えて対策するようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターの適温についてみてきました。
今回のまとめです!!
1:ハムスターの適温は20℃~26℃、快適な湿度は40%~60%。
2:夏は30度を超えると熱中症により死亡する可能性がある。
3:冬は5度を下回ると疑似冬眠により死亡する可能性がある。
4:夏は26℃以下に温度を管理しつつ、除湿する。
5:冬は20℃以上に温度を管理しつつ、加湿する。
6:春は、徐々に冬の寒さ対策を外し、夏の暑さ対策へシフトする。梅雨の時期は除湿する。
7:秋は、日中の寒暖差に注意する。
次回はハムスターが噛むのを止める方法です!!重要な内容なのでぜひご覧ください!