小動物や爬虫類用のエサとしてミルワームがあります。
ミルワームとは昆虫の幼虫の一種で、穀物を食べて蛹になる前の状態のものです。
虫が苦手な方は、ミルワームを買ったり与えたりするのを躊躇されるのではないでしょうか?
私も虫は大の苦手ですが、過去にハムスターのためにミルワームを与えた時があります。
ミルワームは栄養が豊富ですので、与えるメリットがあります。
ただし、ミルワームは与え方によってはハムスターが怪我をする場合があり注意が必要です。
今回はハムスターのミルワームの与え方について詳しくみていきましょう。
なお、虫が苦手な人も記事を読めるように、ミルワームの画像は一切使用していません。ご安心ください。
ミルワームの栄養価とカロリー
見た目はグロテスクですが、ミルワームには栄養が豊富に含まれています。
国連が食べられる昆虫としてミルワームを例に挙げるほど、栄養価が高いです。
ミルワームの栄養価
・動物性たんぱく質
チーズや煮干しの記事でも動物性たんぱく質について書きましたが、ミルワームは虫そのものですので動物性たんぱく質が非常に豊富です。
動物性たんぱく質は筋肉の成長や血のもとになる他、疲労回復にも役立ちます。
・多価飽和脂肪酸
体内のコレステロールを調整し、心筋梗塞や動脈硬化の防止につながります。
・セレン
抗酸化作用があり、酵素やたんぱく質の一部を構成します。生命維持には必須といわれていますが、毒性もあるため過剰摂取はNGと言われています。
・銅
鉄分から赤血球を生成するのに役立つ成分です。
これ以外にもカリウム、ナトリウムなどが含まれています。
他のエサと違い、ミルワームには珍しい栄養が多く含まれていますね。
これらの成分が、ハムスターにも良い働きをします。
ミルワームのカロリー
ミルワームのカロリーは100gあたり223kcalとなっています。
チーズや煮干しほどではありませんが高カロリーのため、与える際には量に注意しましょう。
ミルワームのハムスターの与え方
ミルワームには・生きたままのタイプ、乾燥タイプ、粉末タイプがあります。
それぞれの与え方をみていきましょう。
生きたミルワームの与え方
生きたミルワームはペットショップなどで販売されています。
50匹単位でケースに入っており、おがくずなどに埋もれた状態で渡される場合が多いです。価格は安く200円~300円となっています。
・生きたミルワームは栄養価が一番高い
当然生きたままのミルワームをそのまま与えることになりますので、栄養価が一番高い状態でハムスターに与えることができます。
後述する加工品よりも栄養的には良いでしょう。
・生きたミルワームを与える適量
生きたミルワームを与える場合は、一匹をピンセットなどでつまんで、ハムスターに直接渡すようにしましょう。二匹は過剰です。
ハムスターは元々虫が大好きなので、喜んでキャッチしてくれるはずです。
まれに臆病な性格なハムスターの場合、びっくりして逃げる時があります。その場合は無理に与えないでください。逆にミルワームで怪我をする恐れがあります。
・生きたミルワームを与える頻度
ミルワームの栄養は非常に豊富ですが、毎日与える必要はありません。
ペレットをベースにして、週1~2ほどのペースで与えましょう。
元気がないときの活力剤として使うのが有効です。
・ミルワームを食べ終えるまで様子を見る
生きたミルワームは当然動きます。そのため、ハムスターが食べる前に逃げたり、ハムスターに逆に襲い掛かる場合があります。
ミルワームをただのエサだと思っているとハムスターが怪我をする場合があるため、ミルワームをピンセットで手渡しした後は、食べ終えるまで見守ってください。
・怪我が心配な場合は頭をつぶす
怪我が心配な場合、渡す直前にミルワームの頭をつぶしてください。頭をつぶすことでミルワームの危険性がなくなります。
なお、ジャイアントミルワームはミルワームに比べて危険です。通常のミルワームを与えるか、ジャイアントミルワームの場合は必ず頭をつぶしてください。
・食べ残した殻や頭は取り除く
ミルワームを与えるた場合、固い頭や殻の部分を残す場合があります。
その場合は、残した部分は取り除きましょう。
・生きたミルワームの保管
ミルワームを生きたまま与えたい場合は、10度以上の室温にて保管をします。
ただし室温が暖かい場合、ミスワームが成長し成虫になる場合があります。成虫になるのは数週間から数ヶ月かかる場合もあれば、すぐに成虫化する場合もあります。
成虫もハムスターは食べることができますが、外郭が固くなったり管理が手間になるため、長期に保存する場合は冷蔵庫で保管することをおすすめします。
冷蔵庫に入れると成長が断然遅くなり成虫になるのを防ぐことができます。ただし、寒さによってミルワームが死ぬこともありますので、野菜室に入れるか、元気のないミルワームから与えるようにしましょう。
乾燥ミルワームの与え方
生きてるミルワームは与えるのも管理も嫌という方向けに、乾燥ミルワームが販売されています。
・危険が少ない
ミルワームを乾燥させているため、生きているミルワームとは異なり危険性は少ないです。
乾燥時にミルワームが死んでいるため、ハムスターに襲い掛かるということもまずありません。
・栄養価は下がる
ただし、生きているミルワームよりも栄養価は若干下がります。とはいえ、他のエサ以上の栄養価ですので、あまり気にする必要はありません。
・乾燥ミルワームの適量
乾燥ミルワームの場合も、適量は1匹です。
1匹をピンセットなどでつまみ、そのままハムスターに手渡ししましょう。
・乾燥ミルワームの頻度
こちらも生きたままのミルワームと同様に、週1回~2回です。
栄養補給として時折与えるようにしてください。
粉末ミルワームの与え方
生きたものの乾燥したものの嫌!!とにかく虫が嫌!!という方向けに、粉末状のミルワームが販売されています。
パッケージにもミルワームの記載が無いため、虫嫌いの人も安心です。
粉末状になっているので、虫感はほとんどありません。色味がややミルワームっぽいですが、慣れてくればただの粉にしか感じなくなります。
・粉末ミルワームの適量
小さじ半程度の分量を、エサ入れや子皿に入れて与えましょう。
乾燥ミルワームはハムスターによって好みが分かれるので、数日たっても食べないようであればケージから除去してください。
・粉末ミルワームの頻度
こちらも頻度は週1回~2回が目安です。
粉末タイプの場合でも、主食にするには栄養価が高すぎるので、あくまでも栄養補助として与えてください。
どのミルワームのタイプが良いか?
生きたままのミルワーム・乾燥・粉末のどれが良いかというご質問にお答えすると、ずばり貴方の虫嫌いの度合いによります。
当然生きたままのミルワームが栄養的には一番良いですが、与えるのも保存するのも手間がかかります。そして何より気持ち悪いです。
乾燥タイプはほとんど手間もかからず気持ち悪くもありませんが、栄養的には一番劣ります。
あなたの虫嫌い度によって、タイプを選ぶのが良いでしょう。
ミルワームをハムスターに与える理由
どうしてそこまでしてミルワームをハムスターに与えるのか。栄養価だけでは分かり辛いかもしれません。
ミルワームをハムスターに与える理由はたくさんあります。
毛並みに良い
動物性たんぱく質やセレン・銅などの栄養価は、髪や爪に良いとされています。
そのため、ハムスターが摂取すると毛並みが良くなります。
ハムスターはいつまでもつやつやの毛並みでいて欲しいものです。
消化に良い
ミルワームは雑穀を食べる虫で、消化に良いエサの一種です。
栄養価も高いため、食欲がないハムスターの栄養補給に最適でしょう。
疲労回復に良い
動物性たんぱく質は疲労回復に役立つため、妊娠中・出産前後・授乳期などの体力が衰えた際の疲労回復に役立ちます。
ハムスターの共食いを防ぐ効果もあります。
ストレスを減らし、なつきやすくなる
ハムスターには動物性たんぱく質が不足すると人や物を噛みやすくなるという説があります。
またストレスがたまった場合も同様に、人や物を噛みやすくなります。
ミルワームはハムスターの本能に近いエサですので、ストレスを減らしつつ動物性たんぱく質も摂取することができます。
そのため、ミルワームを与えるとハムスターがなつく傾向があります。
ただし、必ず噛まなくなるわけではありません。与えないより与えたほうがなつきやすくなりやすい、というようにとらえてください。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターとミルワームについてみてきました。
かなり長文となりました!最後にまとめです!!
1:ミルワームは栄養が豊富。
2:生きたまま、乾燥、粉末のタイプがある。
3:生きたままのミルワームには危険がある。
4:どれを選ぶかは、虫嫌い度によって異なる。
5:与える適量は1匹。粉末の場合は小さじ半。
6:与える頻度は週1~2.
7:ミルワームを与える理由は、毛並み・疲労回復・ストレス解消・なつく。
次回はハムスターのもやしの与え方です!合わせてご覧ください!!