ハムスターが下痢になってしまいました。どうすればいいでしょうか?という相談をフォロワーの方からいただきました。
人間と違い、ハムスターにとって下痢は命に関わる危険な状態です。
時間の経過とともにどんどん体力がなくなるので、衰弱する前にできる限り早急に対処する必要があります。
今回は、ハムスターの下痢について解説します。
ハムスターが下痢になる原因
私たち人間も、食べ過ぎたりお腹を冷やしすぎると下痢になります。命に関わるものではありませんが、辛い経験を皆さんもした時があるのではないでしょうか?
まずはハムスターが下痢になる原因について確認しましょう。
1:ストレス
あまり知られていませんが、ハムスターが下痢になる一番の原因はストレスです。
人間もストレスがたまると自律神経が狂い、夜眠れなくなったり体調を崩したりします。
実はハムスターも同様で、ストレスによって自律神経が狂い、それが原因で体調不良や下痢になってしまいます。
ハムスターはとても繊細な生き物です。環境の変化や周りの環境に敏感ですので、ストレスを与えない環境作りを心がけましょう。
2:水分・油分が多いエサの与えすぎ
次にあげられる原因としては、野菜や果物などの水分が多いエサや、ひまわりの種などの油分が多いエサの食べ過ぎ・与えすぎです。
私たち人間も、水分を摂りすぎると下痢になりますが、ハムスターも同様です。ハムスターのエサの中でも、特に野菜や果物には水分が多く含まれています。ハムスターとスイカの記事でも書きましたが、水分量が半分以上を占める食べ物もあります。人間であれば大した水分量ではありませんが、ハムスターにとってはとても影響のある水分量です。
考えなしに野菜や果物を与えすぎると、ハムスターが下痢になる原因となるので注意しましょう。
また、油っぽいものを過剰に与えすぎると、消化しきれず下痢になります。ひまわりの種などは特に与えすぎている方が多いので注意してください。
3:食あたり
ハムスターのエサが傷んでいる場合、食中毒などの影響で下痢になる場合があります。
私たち人間も同じですね。賞味期限が切れた物を食べて、お腹を壊したことがある人もいることでしょう。
ハムスターの餌は基本ペレットで長期保存が利きますが、袋を開封してしばらく期間が経過している場合は注意してください。また、ペレット以外の餌を与える場合には、一度で食べきれる量を与えるようにしましょう。ハムスターは餌を溜め込む習性があるため、日持ちしない物を与えると、小屋の中で痛む場合があります。
また、お水の交換を怠っていると、水が古くなり食あたりになる場合があります。エサと水には十分注意が必要です。
4:細菌・ウイルス・寄生虫
ハムスターと風邪の記事でも書きましたが、細菌やウイルスによってハムスターが体調を崩す時があります。
また、風邪になるだけではなく、下痢になる場合もあります。ごくごく稀に寄生虫によって下痢を起こす場合もあります。
他の原因に比べ症状が重い場合が多く、細菌等には特に注意が必要です。
以上が主な4つの原因です。次に症状について詳しく見ていきましょう。
ハムスターの下痢の見分け方
ハムスターのうんちを観察することで、健康、軟便、下痢、ウエットテイルの4つの状態を見分けることができます。
下痢の見分け方を詳しく見ていきましょう。
1:健康時の糞
健康な状態のハムスターの糞はコロコロと乾燥しており、硬くて臭いもほぼしません。
ハムスターは本来人間に比べるとうんちが硬く、下痢になりにくい生き物です。
ハムスターが軟便・下痢になると、以下のような症状がみられます。
2:軟便
軽度の下痢・下痢の初期段階です。うんちの形状はやや細く、触るととても柔らかくて湿っています。
この段階では命に差し障るほどの影響はありませんが、軟便がずっと続く場合、何かしらの問題が起こっているサインだと認識し、ハムスターの健康状態に注意を配る必要があります。
3:下痢
うんちの形が崩れており、触ると崩れたり手にそのままくっついて形を成さない場合、健康状態に異常がある下痢を起こしています。
また、臭いも通常のうんちよりも強くなる傾向があります。
この状態は、ハムスターにとってとても危険な状態です。ハムスターが下痢になると、脱水症状や体力の消耗により死に至ってしまうのです。
さらに、下痢が原因で衰弱し免疫力が低下することから、他の病気につながる場合も多々あります。
4:水下痢(ウエットテイル)
細菌・ウイルス・寄生虫が原因の下痢の場合、お尻が濡れた状態になるほどの激しい下痢になる場合があります。
これをウエットテイルと呼び、特にゴールデンハムスターで多く見かける症状です。
軟便や下痢と比べて症状が重く、臭いも強烈です。たった半日程度の短い時間でも死に至る場合があるとても危険な状態です。
お尻やお腹が濡れるほどの水のような下痢の場合、一刻の猶予もありません。できるだけ早急に治療を行う必要があります。
以上がハムスターが下痢になったときの症状です。
原因と症状を把握したところで、次にハムスターが下痢になった時の対処法・治し方を確認しましょう。
ハムスターが下痢・軟便になった時の治し方・対処法
ハムスターが下痢や軟便になってしまった場合、早急に対処する必要があります。
詳しい下痢・軟便の治し方を確認しましょう。
1:お医者さんへ連れていく
ハムスターが下痢になった場合、他の病気と同様に、お医者さんへ連れて行ける場合はできるだけ早めに連れていくことをお勧めします。
ただし、下痢ではなく軟便の場合は、数日様子を見てからお医者さんへ行くかどうか判断してもよいでしょう。
ハムスターが下痢の場合、お医者さんに連れていくと、500円~1000円程度で診察してもらえます。検便をする場合は+500円~1000円、抗生剤や栄養剤が出る場合は+1000円~2000円です。
人間ほど体力が無いため、基本的にはお薬は処方されません。抗生剤か栄養剤が渡される場合がほとんどだと思います。ただし重度の下痢の場合は、下痢止めの薬が処方されるほか、点滴や食事の補助などが行われる場合もあります。
下痢はハムスターの体力をどんどん奪います。衰弱する前に早めに連れて行ってあげてください。特に水下痢の場合は時間に余裕もありませんので、後悔する前にすぐに連れて行ってあげましょう。
お医者さんに連れていくことが難しい地域や、お仕事ですぐに動けない方の場合、以下の方法をすぐに試してください。
2:ケージ内の餌を取り除き、水を交換する
まずは原因となっている物を取り除きます。原因を取り除かない限り、下痢はずっと続きます。
ケージ内を確認し、エサを全て取り除きます。また、水は新鮮なお水に交換しましょう。冷えたお水を与えず、常温の水を与えてください。
また、水で薄めたスポーツドリンクや経口補水液を少量与えるのも効果的です。
3:ケージ内とお尻を綺麗にする
エサと水を交換すると同時に、ケージ内も掃除することをお勧めします。体調が悪い場合、免疫力が下がりウイルスや細菌の影響を受ける場合があるためです。
とはいえ、丸ごとケージを掃除するとハムスターにストレスを与える場合があるので、風邪の時とは異なり、ある程度ハムスターの匂いがついた巣材を残しても良いと思います。下痢で汚れてしまった巣材はしっかり取り除きましょう。
ただし、水下痢の場合は細菌・ウイルス・寄生虫等の疑いもあるため、風邪の時と同様に清掃を念入りに行ってください。
また、ハムスターのお尻が濡れている状態であれば、乾燥した柔らかい布で拭きましょう。放置すると、肌荒れ・脱毛の原因になります。
4:エサは消化しやすい物と形状にする
水分量の多い野菜などは控え、それ以外の固形物にしましょう。
ひまわりの種などは油分を含むため、通常通りペレットがお勧めです。ただし、ペレットをいつもどおり与えるのではなく、ペレットを細かく砕いたり、すり潰すなど消化しやすい様に加工して、消化の良いように手助けしてあげましょう。
また、体力が落ちてきている場合は、ミルワームなどの栄養価が高いものをペレットと一緒にあげてください。
5:温度と湿度をやや高めに保つ
風邪の時と同様に、ハムスターの体に負担をできるだけかけないように環境を整えます。
温度は25度前後、湿度もやや高めにして保ってください。
下痢が起こると、ハムスターの体力が落ち、体温が低下します。できるだけ暖かくしてあげましょう。
6:ストレスのかからない環境を作り自然治癒を待つ
2~5の処置を済ませたら、後は自然に治るまで様子をみます。
心配なのは十分お察ししますが、長時間見続けたり、触り続けるのはハムスターにとってストレスであり、体力を奪う行為に他なりません。
ある程度時間を空けながら様子を見てください。ハムスターはうんちを頻繁にしますので、風邪の時よりも確認しやすいと思います。
また、そもそもストレスの少ない環境がどのようなものかご存じない方は、下記の記事を見て環境を整えてください。
・ハムスターケージの置き場所
・ハムスターケージ内のレイアウト
なお、水のような下痢が半日~1日以上続くと危険です。その場合は、できれば1の通りお医者さんへ連れていくことをお勧めします。
以上が主な対処法です。それでは最後に、下痢の予防法について見ていきましょう。
ハムスターの下痢の予防法
実は先ほど記載した2~6の治し方が予防法につながります。
新鮮なエサと水、綺麗なケージ内、適正な温度、ストレスのない環境作りをすることが、そのまま下痢予防につながるのです。
まだハムスターが下痢になっていない人も、ぜひ先ほどの治し方を見て、予防に努めてください。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターと下痢について見ていきました。
今回のまとめです!!
1:下痢の原因は、ストレス、水分・油分、食あたり、細菌・ウイルス・寄生虫
2:下痢の見分け方は、健康、軟便、下痢、水下痢(ウエットテイル)
3:下痢の治し方・対処法は、原因の除去・清掃、消化しやすいエサ、温度と湿度、ストレスのない環境
4:下痢の予防法は、治し方と同じ
以上です!!
次回はハムスターのあくびです!病気との見分け方を確認してください!