ハムスターの歯は成長に伴って伸びていきます。
ペレットを食べたり木を齧ったり、歯をすり合わせることで自然と歯がすり減るため、伸びすぎになるということは通常ありません。
ただし、歯の不正整合がおこった場合、歯をすり合わせることができず過長歯になる場合があります。
過長歯になると歯が伸びすぎてしまい、自分に突き刺さってしまうこともあり大変危険です。
もし過長歯になってしまった場合は、正常な長さに歯を整える必要があります。
今回は、ハムスターの歯について詳しく見ていきましょう。
過長歯の原因
ハムスターの歯が伸びすぎてしまう病気を過長歯といいます。
過長歯になる主な原因は以下の3つです。
不正整合
歯の噛み合わせが悪くなることを不正整合と言います。
ハムスターは前歯をすり合わせることで歯の長さを調整しますが、歯の噛み合わせが悪い場合、歯をすり減らすことができず歯が伸びすぎてしまいます。
切歯破折
歯が砕けたり折れてしまった場合、歯を噛み合わせることができず、過長歯になります。
折れたり砕ける原因は、主に落下や衝突によるケガです。
老化による歯茎の弱り
老化に伴って歯茎が弱る場合があります。歯茎が弱まると歯を擦り合わせることができなくなり、過長歯になりやすくなります。
上記の原因の中でも、歯の不正整合を防ぐことが過長歯を防止する上で大事です。
歯の不正整合の原因
ハムスターの歯の不正整合が起きる原因はいくつかあります。具体例を見ていきましょう。
金網を噛む
金網ケージで飼育している場合、金網をハムスターが噛むことで歯が欠ける場合があります。
歯よりも金属のほうが固いため、歯が欠けてしまった場合に不正整合がおこります。
歯並びが悪い
歯並びにも個体差があります。生まれつき歯並びが悪い場合、歯の不正整合がおこります。
固いものを食べていない
固い餌を食べることは、歯の調子を整える上で重要です。
常に柔らかい餌ばかり与えている場合、歯が伸びてしまい、噛み合わせが悪くなる場合があります。
落下・衝突
高いところから落下して歯が折れたり、正面衝突して歯が欠けてしまった場合、歯の不正整合がおこります。
栄養不足
カルシウムなどの栄養素が不足している場合、歯がバランスよく伸びず、歯の不正整合がおこる場合があります。
では、これらを防ぐ対策を見ていきましょう。
過長歯と不正整合の予防
過長歯と不正整合を予防するには、下記の方法を試してください。
固い餌を与える
普段の餌は固いものを与えましょう。ハードタイプのペレットがおすすめです。
子供や高齢、病気の場合のみ柔らかい餌にして、普段は固いものを心がけることが大事です。
齧り木を与える
前歯対策として齧り木をケージに入れる方法があります。
同じ種類でも性格によって齧り木の使用頻度が異なります。よく齧る子はストレスの解消にもなります。
木製の巣箱にする
巣箱を木製にすることで、噛むことが可能になり、伸びすぎを予防できます。
これも齧り木と同様で、性格によって齧る子と齧らない子がいます。
金網ケージをやめる
金網ケージはメリットよりもデメリットのほうが多いケージです。
金網ケージを使用している方は、他のケージを使用するようにしてください。
落下・衝突を防止する
2階建てのおうちはやめましょう。落下の危険性があります。
また、衝突しやすい障害物はケージから取り除いてください。
遊具を入れるのは構いませんが、遊び終わったら片付けるようにしましょう。
カルシウムを与える
煮干しやチーズなどをおやつとして時折あたえましょう。
対策は以上となります。
上記の対策をしても、老化や生まれつき歯並びが悪い場合不正整合になる場合があります。
不正整合がおこり、過長歯になってしまった場合にハムスターの歯を切る必要があります。
歯を切る・カットする方法
過長歯になってしまった場合の対処法についてみていきましょう。
歯の適正な長さは?
まずは歯の長さを見てください。目測でもかまいません。
ハムスターの歯は、下の歯が長くなっており、上の歯の3倍~4倍の長さになるのが一般的です。
上の歯が下の歯と同じくらい長くなっていたり、下の歯が刺さりそうになっていたり、二本の歯の片方だけ長さが違っていた場合は、過長歯が疑われます。
過長歯と思ったら
過長歯と思ったら、まずは自分で切ろうとせず、動物病院に診てもらいましょう。
ハムスターの歯は思ったよりも適正範囲が長いため、自己診断は難しいです。
また、歯を切る行為には麻酔や止血剤を使う場合があり、自宅で切った場合、出血を止めることができず大変なことになる場合もあります。
獣医に診てもらったことがない方は、一度見てもらうことをお勧めします。獣医に診てもらった経験がある場合、自己判断で切っても良いでしょう。
獣医の診断を受ける
獣医に見せると、過長歯か否かを診断してくれます。
過長歯の場合、歯を切る施術にはいります。
獣医の施術を見て学ぶ
過長歯の場合は、獣医がハムスターの歯をカットしてくれます。
病院によって麻酔を使う場合と使わない場合があります。
獣医から切り方を教えてもらう
定期的に切る必要があると診断された場合、カットの方法と範囲を教えてもらってください。
なお、病院によって切り方が異なります。
ニッパーで切る場合
暴れる場合や、切る範囲が長い場合、ニッパーで短く切る施術を行うケースが多いようです。
やすりで削る場合
切る範囲が狭い場合や暴れない場合、やすりで削る施術をする場合が多いようです。
自己判断で切るのではなく、獣医の指導を仰いだ後、歯をカットするようにしましょう。
歯を切る・カットする際の注意点
獣医の指導のもとハムスターの歯を切る場合も、いくつか注意点があります。
ハムスターの歯にも歯茎や神経があります。
そのため、切ってもいい適切範囲があり、前歯の切り方はとても繊細な作業です。注意点について確認しましょう。
切った歯の誤飲に注意
歯を切るときは基本的に仰向けで切ります。この際、切った歯が口内に落下し誤飲の可能性があります。
歯を飲み込まないように注意し、もし口の中に入ってし合った場合はすぐに取り除くようにしてください。
舌・唇・歯茎・神経に傷をつけないようにする
歯を切る行為はハムスターが嫌がります。
作業の間暴れるため、誤って口付近の部位、唇や舌をカットする危険性があります。
歯のみ切るようにして、他の部分を切らないようにしましょう。
歯の長さとバランスに注意する
獣医に言われた長さを守り、左右のバランスが狂わないようにしましょう。
左右のバランスが崩れると、また過長歯が発生する場合があります。
ストレスケア
歯を切る行為はストレスがかかります。
歯を切った後は極力刺激をしないようにし、好きな餌などを与えてご機嫌をとってください。
子供を病院を連れて行くような感じで、病院後のストレスケアはしっかりと行いましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターの歯について書いてみました。
今回のまとめです!
1:ハムスターの歯が伸びすぎる病気を過長歯という。
2:過長歯は歯の不正整合や欠損などで発生する。
3:不正整合は、落下・衝突・金網ケージ・歯並びが悪い場合に起こる。
4:不正整合の予防は、齧り木やハードタイプペレット。
5:歯を見て過長歯かどうか確認する。
6:過長歯の場合は動物病院へ連れていき、切り方を教えてもらう。
7:自宅で切る場合は、歯の誤飲・裂傷・ストレスケアに注意する。
以上です!!
次回はハムスターの爪切りと爪とぎです!!歯と合わせて確認してみてください♪