ハムスターは温度の変化に弱く、特に冬は注意が必要な季節です。
寒さにめっぽう弱いため、冬の寒さ対策を行わないとすぐに疑似冬眠に陥り最悪死に至ります。
私は約10年前に、ハムスターが疑似冬眠に陥りなんとか回復させた時があります。当時は、大変な事をしてしまったと泣きながら猛省しました。
今回は自分の体験・失敗談を交えながら、ハムスターの疑似冬眠と正しい起こし方について見ていきたいと思います。
ハムスターの冬眠
ほとんどの方は冬眠という言葉をご存知だと思います。クマなどの冬眠が有名です。冬は寒いし食べ物もないから、もういっそのこと暖かくなるまで寝ちゃおう!という行動です。
動物により冬眠の期間は異なりますが、クマなどの場合数ヶ月という長期間にわたって眠り続けます。冬眠の後、暖かくなった春に目覚めるのが一般的です。
では、ハムスターも寒くなったら冬眠をするのでしょうか?
答えはNOです。野生のハムスターは一部例外として、人間に飼われているペット用ハムスターは冬眠をしません。
ただし、室温によって冬眠ではなく擬似冬眠に入る場合があります。
ハムスターが疑似冬眠に入る原因
擬似冬眠とは、冬眠ではなく低体温症です。ぱっと見寝ているように見えますが、触ってみると体が驚くほど冷たく固まっており、つっついても持ち上げても転がしても微動だにしません。
ベテランのみなさんは体験した時があるかもしれませんが、死後硬直と酷似しています。
疑似冬眠は、人間でいうと冬山で遭難した時に近い状態です。まさにギリギリ、体温が低くなった死の間際、なんとか生命維持をするために眠ることでエネルギーをセーブしている状態です。
冬眠と擬似冬眠は似て非なるものと考えましょう。
疑似冬眠に入る原因は主に3つあります。
1:温度の急激な低下
ハムスターは、温度の変化と寒さの両方に弱いため、急激に温度が低下すると疑似冬眠に入ります。
2:室内の日照不足
ケージに直射日光を当てるのはもちろんNGですが、昼と夜の区別がつくくらいの明かりは必要です。ハムスターの自律神経が狂わないように、ケージの置き場所にも注意しましょう。
3:栄養不足・ストレス
栄養が十分でない場合、もしくはストレスを抱えている場合、通常のハムスターよりも免疫力や体力が低下します。その分体温を維持する事が難しくなるため、疑似冬眠に陥りやすくなります。
上記3つの原因がありますが、もちろん一番影響が大きいのは1番の温度変化です。
それでは、擬似冬眠に入る温度は何度くらいなのでしょうか?
擬似冬眠に入る温度
ハムスターの種類によって多少温度が異なりますが、10度以下が危険水域です。10度を下回ると動きが鈍くなり、5度以下になるとほぼどの種類のハムスターでも擬似冬眠に入ります。
朝方氷点下を下回る地域では温度管理が必須となります。温度管理の方法を別記事でまとめたので、是非ハムスターの冬の寒さ対策記事で、対策をしてみてください。
また、疑似冬眠に入った場合、早急に対処を行う必要があります。放っておくと、あっという間にエネルギーを使い果たし、そのまま死亡するためです。
疑似冬眠の回復時間
擬似冬眠に入った後、1時間以内に蘇生を行わなければ、そのまま死に至るケースが多いと言われています。
もちろん個体や種類によって時間が前後しますが、早期発見以外の回復はかなり難しいと考えてください。
また、疑似冬眠に遭遇した時が無い方は、死亡していると認識するケースが非常に多いです。先ほど書いた通り、何をしても微動だにしないため、ハムスターが死んでしまったと誤認します。
まだ間に合う可能性があるため、疑似冬眠と死亡時の見分け方を確認しておきましょう。
疑似冬眠と死亡時の見分け方
約10年前の話ですが、ハムスター用ヒーターの電源がうっかり切れており、飼っていたジャンガリアンハムスターが疑似冬眠に陥ったことがあります。
最初は死んでしまったと思い、全く動かないハムスターを手に持って泣いていました。なぜ外出する時にコンセントを確認しなかったのかと、自分を責めました。
しばらく泣いた後様子をよく見てみると、以下の点が死亡時と違うことに気がつきました。
疑似冬眠と死亡を見分けるポイント
・空気が抜けていない(体に厚みがある)
・体に弾力が残っている
・目も口も開いていない
・毛並みが整っている
・微かに息をしているように感じる(ほんの僅かに胸が上下しているように感じる)
このような状態であれば、疑似冬眠の可能性が高いです。経験上、息の有無を見分けるのはかなり難しいです。
私はその時疑似冬眠という言葉すら知らなかったので、死んでいるのか生きているのか分かりませんでしたが、何とかしたい一心で回復を試みました。
この時たまたま取った行動が、実は擬似冬眠の対処として適切だったことが後日分かりました。
次に、疑似冬眠からの正しい起こし方を確認しましょう。
擬似冬眠からの起こし方
疑似冬眠からの起こし方はハムスターを温めることです。
ですが、ただ単に温めればいいというわけではありません。起こし方を誤ると、そのまま死亡する危険が極めて高いので注意しましょう。
・正しい起こし方
もしあなたが擬似冬眠に遭遇したら、両手で包んでひたすら自分の体温で温め続けてください。
また、自分の体温だけでは温度がやや足りないため、電気毛布やコタツの端っこ、ホッカイロなどをタオルに巻いて併用し、ゆっくり温め続けてください。雛鳥が卵を返すように、焦らずゆっくりと2〜3時間温め続けます。
私の場合、目覚めるように祈りながらホッカイロをタオルで包んでハムスターにあてつつ、両手やお腹で温め続けました。
1〜2時間くらいたってハムスターが目を開けた時本当に嬉しかったのを、10年経った今でも覚えています。
・誤った起こし方
擬似冬眠からの起こし方で絶対にやってはいけないことは、急激に温める事です。
ヒーターやストーブに直接当てるのはNGです。ハムスターは衰弱しており、急激に温めると心臓が追いつかず死に至ります。
もちろんドライヤーもNGです。こたつのど真ん中に置くのも推奨しません(端っこなら良いと思います)。
繰り返しますが、ゆっくり温め続けることがポイントです。 急いで温めたいあなたの焦りは十分お察ししますが、決して急激に温めないようにしてください。
2時間〜3時間以上温め続けても目が覚めない場合は、残念ながら蘇生が間に合わなかった可能性が高いです。
6時間以上温めても目が覚めない場合は、残念ながらおそらくもう他界されていると思われます。
もし貴方のハムスターが幸運にも疑似冬眠から回復したら、次のようにしてください。
疑似冬眠から起きたら
疑似冬眠から目を覚ましたら、はちみつを溶いたぬるま湯を飲ませてあげましょう。
また、カイロや体温で引き続き温め続けてください。
疑似冬眠状態から回復した場合、いきなり元気になって猛ダッシュを決めるハムスターは少ないです。
たいていの場合は体力を消耗しており、歩き方もいつもと比べておぼつきません。温かい状態で静養すれば徐々に回復しますが、できれば温めながらなるべく早く病院へ連れて行く事をお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はハムスターの疑似冬眠についてみていきました。
今回のまとめです!
・ハムスターは冬眠しない
・疑似冬眠は低体温症
・疑似冬眠の回復時間は1時間以内
・見分け方は弾力・空気・呼吸・目と口・毛並み
・正しい起こし方は体温+電気毛布orこたつorホッカイロでゆっくり温める
以上です!!
次回はハムスターの目が赤い時の対処法です!!どうぞご覧下さい!