甘酸っぱくておいしいぶどう。
夏から秋にかけて出荷され、日本で幅広く人気のある果物です。
ハムスターもぶどうを食べることができますが、実は水分量が多く、皮や種にはタンニンと呼ばれる成分が含まれているため注意が必要な果物です。
今回は、ハムスターのぶどうの与え方について見ていきましょう。
ぶどうの栄養と安全性
ぶどうはただおいしいだけでなく、栄養豊富な果物です。
ぶどうの栄養価
ブドウ糖
体内でエネルギーになる糖質です。疲労回復効果があります。
ポリフェノール
ワインに含まれていることで有名なポリフェノール。原料のぶどうにももちろん含まれています。
動脈硬化やガン予防に良いとされています。
ビタミン
ビタミンB群とビタミンCが豊富に含まれています。
抗酸化作用を持ち、皮や皮膚に良い栄養価です。
ミネラル
カリウム・リン・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルも豊富です。塩分を輩出する作用があります。
ペクチン
食物繊維の一種。お通じを改善してくれます。悪玉コレステロールを減少させる働きもあります。
このようにぶどうには体に良い栄養が詰まっています。ただし、ハムスターにとっては害になる成分もあります。
ぶどうの安全性について
ぶどうは人間であれば安全な食べ物ですが、ハムスターにとっては一部危険な部位があり、注意が必要な食べ物です。
ぶどうの水分量
ぶどうの水分量は100gあたり83.5gです。8割ほどが水分でできています。
そのため、大量に与えると下痢になる恐れがあります。
食物繊維に注意
お通じを改善してくれる食物繊維ですが、ハムスターにとっては下痢の原因になります。
ぶどうにはペクチンが含まれているため、ぶどうを与える際は量に注意が必要です。
タンニンに注意
タンニンは皮や種に含まれる成分です。ポリフェノールの一種で、多量摂取した場合ハムスターの消化器官を傷つける恐れがあります。
この3点に注意すれば、ぶどうを安心して与えることができます。
犬のぶどう中毒について
犬はぶどうを食べると中毒になることで有名です。
犬がぶどうを食べた場合、急性腎不全に陥り、最悪の場合死に至るケースもあります。
ハムスターの場合はぶどうを食べたとしても急性腎不全に陥ることはほぼありません。
大量に与えた場合、中毒になる前に消化器官にダメージを負い最悪の場合死に至ります。
ぶどう中毒についてはほぼ心配することはないですが、大量に与えることは控えてください。
ぶどうとマスカットの違いについて
ぶどうとマスカットは別の品種です。色が違うだけではありません。
正確には、果物の名称としては共通でぶどうですが、品種名がそれぞれ違います。
デラウェア
日本国内の場合、小粒で紫色のぶどうのほとんどがデラウェアと呼ばれるアメリカ原産の品種です。
マスカット
日本国内の場合、緑色をした白ぶどうのほとんどは、マスカットと呼ばれる地中海原産の品種です。
巨峰
日本国内の場合、黒色で大粒のぶどうのほとんどが巨峰(ピオーネ、ナガノパープル)と呼ばれる日本原産の品種です。
ハムスターへの与え方は同じ
品種の違うデラウェア・マスカット・巨峰ですが、ハムスターへの与え方は同じです。
紫色のぶどうでも緑色のぶどうでも与えることができます。
ただし、ぶどうのサイズが異なるため、大粒のぶどうを与える場合は小さくカットする必要があります。
ぶどうの与え方
では、ぶどうの与え方を具体的に見ていきましょう。
ぶどうを与える際の適量
ぶどうの実を与える際は、大粒の場合は1/4程度、小粒の場合は1/2程度にカットして与えましょう。
目安は5mm角になるようにカットするようにしてください。
一粒丸々与えると与えすぎになるので注意しましょう。
ぶどうを与える際の頻度
ぶどうは毎日与えてはいけません。
多くても週1回程度に抑えて、間隔を開けておやつとして与えるようにしましょう。
水分が豊富ですので、夏場の水分補給代わりとして使用することもできます。
ただし、糖分が非常に多いので、メインのエサであるペレットの量を調整しながら与えるようにしてください。
冷やしすぎない
ぶどうを食べる際は冷蔵庫で冷やしてから食べることが多いと思います。
ただし、ハムスターに与える際は常温で与えるようにしてましょう。
冷やしすぎるとハムスターにとっては刺激が強すぎるので、ある程度常温に戻してから与えるようにしてください。
新鮮なぶどうを与える
ぶどうは水分量が多く傷みやすいため、スーパーから買ってきたばかりの新鮮な状態の物を与えるようにしましょう。
ぶどうの加工品は与えない
レーズンなどの干しブドウや、ぶどうジュース、ぶどうゼリーなど、人間用に加工した食品は与えないようにしましょう。
ペット用に加工された物であれば与えて問題ありませんが、人間用に加工された物は糖分や塩分が過多の場合がほとんどです。
ぶどうの皮と種は危険
ぶどうを与える際は、必ず皮と種は取り除くようにしてください。
タンニンによる消化器官へのダメージについて
皮や種に含まれるタンニンは、ハムスターの消化器官にダメージを与えるだけでなく、腎臓や肝臓にも負担を与えます。
ポリフェノールと聞くと、ワインやカカオに含まれる健康・美容に良い成分というイメージがありますが、それは人間に限った話です。
ハムスターはタンニンを消化することができません。
消化酵素を持たない
ハムスターはタンニンやポリフェノールを分解する酵素を持ちません。
唾液にもありませんし、腸内細菌もタンニンを分解できません。
一部の野生のネズミはタンニンを消化できるそうですが、ペットとして販売されているハムスターはタンニンを消化できません。
そのため、ぶどうの皮と種を与えることは健康を害するだけですので、絶対に与えないようにしましょう。
なお、ぶどうの皮と種と同様に、どんぐりもタンニンを含むため与えてはいけません。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターのぶどうの与え方について見てきました。
今回のまとめです!!
1:ぶどうの栄養価はブドウ糖、ポリフェノール、ビタミン、ミネラル、ペクチン。
2:ぶどうは水分量が多く、食物繊維が多いため下痢に注意。
3:種と皮にはタンニンが含まれており、多量摂取すると消化器官と肝臓と腎臓にダメージがある。
4:与える際は、新鮮なぶどうを常温にしてから5mm角にカットして与える。
5:種と皮は消化酵素を持たないため与えると危険。
以上です!!
次回はハムスターのお米の与え方です!合わせてご覧ください!