ハムスターが毛づくろいをする理由はリラックスです。
主に気分の良いときに毛づくろい(グルーミング)が行われ、体を清潔に保ちつつ健康管理をしています。これは猫など他の動物にも共通して見られます。
ただし、ハムスターが何らかの失敗をした時などストレスに見舞われて緊張している時、自分を落ち着かせるために毛づくろいを行うこともあります。
また、局部に集中して長時間毛づくろいをする場合、怪我や病気の可能性もあります。
今回は、どの理由で毛づくろいを行っているのかを見分ける方法について詳しく見ていきましょう。
ハムスターが毛づくろいをする理由
ハムスターがクシクシと毛づくろいをする姿を良く見かけると思います。
ハムスターの毛づくろいには理由があり、以下のような目的があります。
リラックス時に毛づくろいをする理由
・体を清潔にする
ハムスターは綺麗好きな生き物です。基本的にトイレ(おしっこ)は同じ場所で行い、エサの貯蔵場所も固定です。
毛づくろいをすることで体を清潔に保ち、皮膚病を防いでいます。
・体温管理
夏場に毛づくろいを行うことで、気化熱を利用し体温を下げます。
冬場には毛づくろいを行うことで毛をふわふわにして空気を含ませることで、保温を行います。
・血流促進
人間でもマッサージなどを行いますが、ハムスターの場合毛づくろいを行なうことで血流を促進させ、健康維持をしています。
ここまでがリラックスしている時に行われる毛づくろいの理由です。
ハムスターの場合はこちらの理由が主であり、毛づくろい自体は危険な行動ではありません。
続いて、緊張時に行われる毛づくろいの理由を見ていきましょう。
緊張時に行われる毛づくろいの理由
・転移行動
しつこく撫でられた後ハムスターが毛づくろいを行うことがあります。
これは動物の転移行動と呼ばれる習性であり、猫などでも見られます。
転移行動とは、動物が葛藤状態の時に行われる行動であり、葛藤から逃れるために行われる第三行動のことを言います。
具体例を挙げると、人がハムスターをしつこく撫でたとします。
ハムスターがそれをストレスだと感じた場合、噛むか逃げます(攻めor守り)。そのどちらも不可能だと察した場合、自分を落ち着かせるために毛づくろいという第三の選択肢をとります。
・緊張緩和
人に長く見られている場合など、緊張しているときに毛づくろいを行うことで落ち着こうとしています。
自分の臭いを自分に付け直すことで落ち着こうという状態です。
以上が毛づくろいの理由です。
怪我・病気の場合は、理由や目的というよりも、症状緩和のための異常行動になります。
では、どの理由で毛づくろいを行っているか、具体例を元に見分け方を見ていきましょう。
リラックス時の毛づくろいの特徴
リラックスしている時に行われる毛づくろいには特徴があります。
いくつか代表例を見ていきましょう。
リラックス時の毛づくろいの具体例
・寝起き
睡眠中はリラックスしており、寝起きも同様にリラックス状態にあります。
私たち人間も、寝起きから緊張していることはごく稀でしょう。
寝起きの毛づくろいは、乱れた毛並みを整えたり、体調の確認をしています。
・食後
食事中はリラックス状態にあります。危機的状況で食事を行うことはほぼありません。食後も同様にリラックスしている場合が多いです。
私たち人間も、自分が危険の時にのんびり食事はしないでしょう。
食後の気分が良いときに毛づくろいを行い、健康維持をしています。
・就寝前
眠気を感じあくびなどをしている時はリラックスしている状態です。
危険を感じている時にあくびなんてしている暇はありません。
就寝前に毛づくろいをしている時は、私たちが寝る前にお風呂に入る感覚に近いです。体を清潔にしています。
・運動後
体調がばっちりで回し車をガンガンに回した後、毛づくろいをする時があります。
主に乱れた毛並みを整えています。
私たちで言えば、ジムで運動後シャワーを浴びる感覚に近いです。
・暇な時
暇でリラックスしている時、毛づくろいを行うことがあります。
うんちを投げて遊んだり、慣れた遊具で遊んでいる時にも行われます。
リラックス時の毛づくろいの見分け方
上気した具体例共通の見分け方です・
・のんびり
のんびり毛づくろいを始めた場合や、のんびり毛づくろいを止めた場合はリラックス状態です。
のんびり毛づくろいしている場合は機嫌が良いんだな♪と思ってください。
・おだやか
落ち着いておだやかに毛づくろいを行っている場合は、リラックス状態です。
緊張状態よりもリラックス状態の方が多いため、よく毛づくろいをみかけるという場合も比較的心配はいりません。
緊張時の毛づくろいの特徴
緊張している時の行動にも特徴があり、見分けることが可能です。
緊張時の毛づくろいの具体例
・しつこく撫でられた後
過剰な接触はハムスターにとってストレスとなります。
上気したとおり、転移行動により毛づくろいが行われます。
接触は長くても5分~10分以下にしましょう。
・視線を感じた時
飼い主になれていない場合、視線を感じると緊張します。
なついていない場合は、じっと見つめることを控えましょう。
・ペットショップからの購入直後
環境が劇的に変わって緊張状態にあります。
リラックスとはかけ離れた状態ですので、購入直後は過剰な接触は避け、そっとしておきましょう。
・行動失敗後
何かにぶつかった時、落下時など、行動に失敗した時に毛づくろいを行うことがあります。
動揺を落ち着けるためのに行われ、代表的な緊張時の行動例です。
緊張時の毛づくろいの見分け方
上記緊張時の具体例共通の見分け方です。
・瞬発的
パッ!!と毛づくろいをし始めたり、ハッ!!と何かに気づいて毛づくろいを止めた場合は緊張時の毛づくろいです。
瞬発的な毛づくろいをしている時は好ましい状態ではありませんので、刺激しないようにしてください。
・激しい
緊張時は毛づくろいも激しい傾向があります。
毛をむしるなどの過剰な毛づくろいはストレスサインですので注意してください。
クシャクシャ!!と激しく毛づくろいをしている際は、周囲の環境を整えて安心させてください。
怪我・病気による毛づくろいの特徴
最後になりますが、リラックス時・緊張時以外に行われる毛づくろいがごく稀にあります。
それは、怪我や病気による毛づくろいです。
怪我・病気による毛づくろいの具体例
・皮膚病
主に脱毛箇所を毛づくろいしている場合、皮膚病が疑われます。
見分けやすい状況だと思いますので、毛づくろいしている箇所が脱毛している場合は病院へ連れて行きましょう。
・骨折
骨が折れている場合、怪我の箇所を気にして舐める場合があります。
手足の骨折が多いので、変に曲がっている場合は病院へ連れて行きましょう。
・裂傷
血が出ている場合、裂傷箇所を舐める場合があります。
ハムスターの場合出血は死に繋がる重大な怪我なので、早急に処置をして病院へ連れて行きましょう。
怪我・病気による毛づくろいの見分け方
リラックス時、緊張時よりも見分けるのは容易ですが、その場合は急を要する場合が多いので注意が必要です。
・患部に異常がある
患部に異常がある場合は、すぐに病院へ連れて行きましょう。
特に脱毛などは分かりやすい特徴です。
・局部集中
一箇所に集中して長時間毛づくろいをしている場合、患部に異常がある場合があります。
あまりにも長く一箇所を毛づくろいしている場合、その箇所をよく観察してください。
ダニやノミが付着している場合もこの傾向があり、放置すると脱毛に繋がるので注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターの毛づくろいについてみてきました。
今回のまとめです!!
1:毛づくろいは主にリラックス時か緊張時。
2:リラックス時の特徴は、寝起き・食後・運動後・就寝前・暇な時。
3:リラックス時はのんびり、穏やか。
4:緊張時の特徴は、過剰接触後・視線を感じた時・購入直後・行動失敗後。
5:緊張時は、瞬発的、激しい。
6:怪我・病気の特徴は、皮膚病・骨折・裂傷。
7:怪我・病気時は、局部集中、患部に異常がある。
以上です!!!
また次回の更新でお会いしましょう!!