ハムスターのケージにはさまざまな種類があります。ガラス、水槽、プラ、衣装ケース、そしてメジャーなのが金網ケージです。
側面や天井が網状になっているケージで、よくペットショップや通販などで見かけるのではないでしょうか?
価格も安く使用者も多いため、「ハムスターのケージって金網タイプのことを言うんでしょ?」と思われている方も多いと思います。私もその一人でした。
ですが、金網ケージにはデメリットも多く、特にハムスターの歯が悪くなることで有名です。
もし金網ケージを買ってしまった場合、どのように対応すればいいのでしょうか?
今回は、金網ケージをハムスターが噛む理由と、それに対応する金網部分の改造方法について詳しく見ていきましょう。
ハムスターが金網ケージを噛む理由
金網ケージを使用して一番困ることが、ハムスターがケージを噛むということです。
これにはいくつかの理由があります。
ハムスターの習性・本能
ハムスターは分からないものを見ると齧って確認する習性があります。
また、歯の健康を維持するため、齧り木などの様な棒状のものを見ると齧り始めます。
そのため、金網ケージの金網部分は、絶好の齧りポイントとして認識されてしまいます。
ケージの外に出たい
ハムスターは縄張り意識が強く、その範囲をパトロールすることで安心を得ます。
最初の頃はケージ内をパトロールし縄張りを確保していきますが、次第に外に興味が沸きます。
そして、外の安全確認がしたくなり、外へ出してほしいという欲求が強くなります。
ケージが十分に広いにも関わらずケージを噛み始めるのはそのためです。
また、ケージが狭い場合は、更に強力に金網を噛むことになります。
ストレス
温度や湿度、騒音、振動、ケージの狭さや不衛生な状態等、不適切な状態が続く場合ハムスターにストレスがたまります。
ストレスがたまると、金網ケージだけでなく、飼い主の手も噛み始めます。
金網ケージを噛むことは、不満を表しているとも言えるでしょう。
エサが欲しい・かまってほしい
お腹がすいてエサが欲しい時や、飼い主にかまってほしい時にも金網を噛みます。
これは、金網越しにエサを与えている場合や、金網越しにコミュニケーションをとっている場合に特に多くなります。
金網を噛む→エサがもらえるという風に誤解させないように注意しましょう。
金網ケージの改造方法3選
では、ハムスターが金網ケージを噛むことになってしまった場合、どうすればよいのでしょうか?
噛む理由で触れたとおり、これは習性や本能が絡むものなので、噛むこと自体をしつけで止めることは困難です。
止めたいのであれば、ケージを改造して金網を塞ぐしか方法はありません。
よくある改造方法を3つ確認しましょう。
ちなみにですが、私も初心者時代にこの方法を全て試した時があります。
クリアファイルを使用した金網ケージの改造
まず一番簡単なのが、クリアファイルを使用した改造方法です。手順をまとめます。
クリアファイルの改造手順
1:クリアファイルを、金網部分に合わせてカットする
2:カットしたクリアファイルを、金網部分の内側に張り合わせる。
以上です。とても簡単ですね。コツとしては、金網部分より若干余分にカットして、余った部分をつかって金網に固定することです。
ただしこの方法にはいくつかデメリットがあります。
クリアファイルの改造デメリット
非常に簡単で手ごろな改造なのですが、クリアファイルが脆弱なため、いずれ噛み切られるというデメリットがあります。一時しのぎ感が強い改造です。
また、クリアファイルを噛み切られると、ハムスターが誤飲する可能性もあるため注意が必要です。
下敷きを使用した金網ケージの改造
クリアファイルよりも固く、加工しやすい物は何か?と考えて行きつくのが下敷きです。
下敷きは文房具屋で売られており、お子様が居る家庭であれば必ず一枚は家にあることでしょう。
改造手順は以下の通りです。
下敷きを使用した改造手順
1;下敷きを金網部分に合わせてカットする。
2:カットした下敷きを、金網部分の内側に張り合わせる。
以上です。ただしクリアファイルと違い弾力性が乏しいため、ケージが丸みを帯びている場合は工夫が必要です。
下敷きを二枚用意して、外側と内側で張り合わせると、丸みを帯びた部分にも固定しやすいでしょう。
下敷きの改造デメリット
こちらもデメリットがあります。ドワーフ系のハムスターであれば抑えきるかもしれませんが、残念ながらゴールデンハムスターのパワーを抑えきることはできません。
相当頑丈で、人が力を入れても曲がらないくらいの下敷きでなければ、外側から食いちぎられる可能性があります。
プラ板を使用した金網ケージの改造方法
クリアファイルを突破され、下敷きも突破された貴方が最終的に行きつくのがプラ板です。
ここまでくると、当然ながら段ボールや木も試していることでしょう。そして当然のごとく突破されていると思います。ええ、私もそうでした。
プラ板を使用した改造方法は以下の通りです。
プラ板を使用した改造手順
1:プラ板を金網部分より大きめにカットする
2:プラ板を加熱し、凝縮固定する
3:プラ板を金網ケージ内側に設置し、固定する
これで万全です。加熱凝縮したプラ板はプラケースと同様の頑強さを誇ります。ようやく問題が解決しました。金網ケージの改造もこれで終了です!!
そこでケージを眺めながらふと気づくことがあります。
これって、最初からプラスチック系やアクリル系のケージを買った方が良いんじゃないか?
はい、その通りです。私はこの事実に気づくまで半年以上かかりました。
ここまで書いておいて恐縮ですが、金網ケージははっきり言っておすすめできません。
それは、メリットよりもデメリットの方が多いからです。
金網ケージのメリット
金網ケージには、初心者でも扱いやすいメリットがいくつかあります。
安い
まずは値段の安さです。プラ製やガラス製のケージに比べ、金網ケージは価格が非常に安くなっています。
1000円台で販売されているものもあることから、特に初心者の飼い主さんが選びがちです。
軽い
そして金網ケージは非常に軽いです。
軽いというのは非常に大きなメリットで、ケージ事持ち運びができたり、掃除が楽だったりします。
特に水槽を使っている人は、重量が5~10キロくらいあるので、あまりの軽さにびっくりすることでしょう。
分解できる
ケージを分解できるので掃除が楽です。
また、パーツが破損したときも交換できたり、パーツを拡張することができるタイプもあります。
種類・デザインが豊富
金網ケージは人気が高いため販売量も非常に多く、素敵なデザインのものも沢山あります。
気に入った色やサイズを選びやすいというのもメリットでしょう。
通気性が良い
壁が金網のため通気性が良く、空気がこもりません。徳に夏場のジメジメした時期に有効です。
以上が金網ケージのメリットです。
魅力的に見える金網ケージですが、私は金網ケージはおすすめしません。理由は次のデメリットでご説明します。
金網ケージのデメリット
金網ケージには重大なデメリットが存在します。それは、怪我と病気です。詳しく見ていきましょう。
歯の不正整合
金網ケージを使用すると、ほとんどのハムスターが金網を噛みます。
金網を噛み続けると、歯が欠けたり歯の並びが悪くなり、不正整合が起こります。
歯の不正整合が起こると、エサがうまく食べられなくなる他、歯が伸びすぎてハムスター自身に刺さったりと大変危険です。
落下による骨折
天井が金網タイプの場合、高確率でうんていします。
水槽ボトルや小屋に登って天井につかまり、そこからうんていし始めるのです。
当然つかまり続けることはできないため、そのまま落下します。
落下の衝撃で手足が骨折する可能性があるほか、最悪頭を打ってしんでしまいます。
脱毛
金網を齧り続けると、鼻の周りが脱毛します。
あんなにかわいらしかったのに、こうなるともう痛々しくて見ていられません。
一度脱毛すると脱毛部分はなかなか治らず、治ったとしても金網ケージに戻せばまた悪化します。
脱毛する前に、ケージを変えるか金網を塞いでください。
噛み癖がつく
金網ケージは金網を齧るだけでなく、金網越しのお世話が増えるため、飼い主の手も噛みやすくなります。
噛むのを止めさせようとして、不適切な方法(突っつく、息を吹きかける、大声を出して注意するなど)を取ってしまい、更に悪化するという悪循環です。
一度噛み癖がつくと、なかなか直りません。金網ケージは噛み癖が悪化するので、使用するのはやめましょう。
ハムスターの金網ケージのまとめ
いかがでしたか?今回はハムスターの金網ケージについて見てきました。
今回のまとめです!!
1:ハムスターが金網ケージを噛む理由は、習性・本能、ストレス、外に出たい、餌が欲しい・かまってほしい時
2:金網ケージの改造は、クリアファイル、下敷き、プラ板
3:金網ケージのメリットは、安い、軽い、分解できる、通気性が良い、種類・デザインが豊富
4:金網ケージのデメリットは、歯の不正整合、落下による骨折、脱毛、噛み癖の悪化
5:金網ケージはおすすめしない
以上です!!
それでもやっぱり金網ケージが良いと思う方は、
ペットショップで販売されているハムスターは、どのようなケージに入っていましたか?健康を保ち、綺麗なハムちゃん達を飼育・販売するプロの人達が使っているケージです。
そう、おわかりですね。ペットショップでは、ほとんどの場合金網ケージでハムスターを飼育していないはずです
十中八九、かなり大きめのアクリル水槽(アクリルケース)
次回は衣装ケースについて見ていきます!そちらもご覧ください!