ハムスターの飼育にある程度慣れてきた方は、ハムスターを繁殖してみたいと考えた時はありませんか?
私も過去にハムスターを繁殖させた時がありますが、予想以上に大変でした。
ハムスターの繁殖はいくつかの過程があり、単純にオスメスを同じケージに入れて放置すればよいというものではありません。
今回は、ハムスターの繁殖について詳しく見ていきましょう。
ハムスターの繁殖の事前準備
ハムスターが繁殖するために、いくつか事前に準備するものがあります。
ペットショップでオスとメスのハムスターを買う
まずはペットショップでオスとメスのハムスターをそれぞれ購入しましょう。
性別で分けられて販売されていることが多く、表示を見てわからなければ店員に確認しましょう。
健康なハムスターを選ぶ
オスとメスを購入する際は、毛並み・目・歯に注意し、健康な個体を選ぶようにしましょう。
健康チェックについてはハムスターの選び方から確認してください。
同種のハムスターにを選ぶ
オスとメスは同じ種類にしましょう。
オスのゴールデンハムスターを飼う場合は、メスもゴールデンハムスターにしてください。
なお、毛色が違うだけであれば問題ありません。
例えば、ジャンガリアンのノーマルとパールホワイトを繁殖させる場合は問題ありません。
異種配合は危険とされており、もし成功したとしても悲しい結末を迎える可能性が高いです。
兄弟・姉妹は避ける
兄弟や姉妹のハムスターは血統が近いため避けましょう。
血統が近い交配は遺伝的に推奨されていません。店員に事前に確認しておきましょう。
ペットショップでケージを二つ購入する
ペットショップでは子供のハムスターを同じケージで飼育し、販売しています。
ただし、ハムスターは成長すると喧嘩をする可能性があるため、基本的に個別飼育になります。
ロボロフスキーなど、一部の種類は同居も可能です。ジャンガリアンも喧嘩をする場合があるため、個別飼育を推奨します。
そのため、あらかじめケージを2つ購入しておきましょう。
ケージを仕切る場合
1つの大きなケージを買い、間に仕切りを入れる方法もありますが、その場合はケージは60cm以上の物を選び、個体あたりの低面積を確保するようにしてください。
以上の準備ができたら、お見合いの過程に入ります。
ハムスターのお見合いについて
ハムスターを購入して後、お見合いが完了するまでの過程を見ていきましょう。
生後3か月まで個別に育てる
ハムスターは生後約3か月~4か月で繁殖が可能になります。
それまでは別々のケージで飼育し、繁殖が可能になるまで育てましょう。
子供の頃の飼育方法については、なつく方法で確認して下さい。
ケージを近くにおいて、お互いの臭いを覚えさせる
繁殖可能な時期になったら、それぞれのケージを近くによせ、お互いの存在を認識させます。
ハムスターは繁殖期になるとフェロモンが出ます。
オスメスがそれぞれの存在を認識しますので、お互いが興味を示すまで1週間ほど様子を見てください。
柵越しに出会わせる
1週間ほど経過したら、ケージ越しではなくさらに接近させましょう。
お散歩などでお互いのケージから出す際に、柵越しに出会わせてみてください。
いきなりケージに入れると喧嘩をする場合があるので、柵越しに出会わせて、喧嘩をせずお互いの臭いを嗅ぐようであれば問題ありません。
喧嘩するようであれば、また1週間ほど様子を見てお互いが慣れるまで出会いを繰り返してください。
ここまでがお見合いです。カップリングが成功したら、次に交尾に移ります。
ハムスターの交尾について
お見合いが成功し仲良しカップルが誕生したら、交尾の過程に入ります。手順を確認しましょう。
メスの発情期を待つ
メスは4日ごとに発情期になります。
発情期には体を低くして尻尾を立てお尻をふるような動作を見せます。これは、猫も同様です。
またフェロモンが強くなるため、臭いがきつくなります。
そのような傾向がみられたら、交尾に最適なタイミングです。
メスをオスのケージに入れる
メスが発情期を迎えたら、メスをオスのケージに入れます。
メスのほうが個体の力が強く縄張り意識が強いため、オスのケージに入れるのが一般的です。
メスをケージに入れるとオスがメスにちょっかいを出す場合が多く、メスが抵抗する場合があります。
あまりにも抵抗が激しい場合は、日が悪いと判断し、それぞれのケージに戻しましょう。
交尾を見守る
ケージに入れたらしばらくするとオスがメスの後ろに回り、交尾に入ります。
交尾が終わるまで様子を見守ってください。
交尾は長くて1時間と飼育サイトや飼育本で言われていますが、私の経験上交尾自体の時間は数分以下です。
交尾の体制に入りさえすれば、ほんとうにあっという間に終わる場合もあります。
交尾後はケージを分ける
交尾が終わると、お互いが無関心になったり、喧嘩をし始める場合があります。
そのような様子がみられたら、メスとオスをそれぞれのケージに戻してください。
そのまま同居させるという場合もありますが、交尾後の喧嘩によりオスが死ぬ場合があるので、分けることを推奨します。
以上が交尾の過程です。次は妊娠です。
ハムスターの妊娠について
交尾後、メスが妊娠すると数日でお腹が大きくなります。
お腹が大きくなってきたら、次の項目に注意してください。
妊娠期間について
妊娠の期間は2週間~3週間です。
この期間は気性が荒くなる傾向があるので注意してください。
お腹を刺激しない
妊娠中はメスに刺激を極力与えないようにしましょう。
持ち上げたり、落下したりしないように十分注意してください。
栄養に気を付ける
妊娠中と出産直後は、特に健康に気を使う必要があります。
妊娠・出産はハムスターの体力をかなり消耗させるため、餌や水を十分に与えてください。
出産準備中は掃除をしない
出産が近くなると、出産用に巣作りをします。
いつもより巣材を多めに集めたり、目線を気にするようになります。
ケージ内の掃除は控え、極力ストレスを与えないようにしましょう。
以上がハムスターの妊娠です。最後に出産についてみてきましょう。
ハムスターの出産について
妊娠したハムスターが落ち着かない様子になったら、出産が近づいています。
夜間は刺激しない
ハムスターは夜行性のため、出産も夜間の場合が多いです。
非常に神経質になっているため、ケージの中を覗いたり、手をいれたりすることはやめましょう。
普段おとなしい個体でも、最悪の場合手を噛まれます。
出産は手伝わない
メスハムスターが子供を産む途中は、一切の手出しは不要です。
出産を手伝うことは厳禁です。手を出すことで出産が逆に失敗する場合があります。
人間の臭いがついた新生児は、母親が育児を放棄する場合があります。
また、後述する共食いにつながる場合もあります。
私たちができることは、無事出産が終わることを祈ることのみです。
産声が聞こえてきたら
無事出産が終わると、キュイキュイという聞きなれない鳴き声が聞こえてきます。
それが子供ハムスターの産声です。
産声が聞こえてきたら妊娠は無事成功です。安心しましょう。
何匹生まれるか?
ハムスターの出産は、6~7匹生まれるのが平均です。
一気に増えますので、ハムスターを繁殖させる場合は、増やした後のことも事前に考えておきましょう。
ネズミ算的出産に注意
ネズミ算という言葉をご存じでしょうか?
あっという間に膨大な量に増える計算式のことです。
ハムスターの出産は6~7匹が平均であると書きましたが、その子供たちも3か月から4か月後には繁殖が可能になります。
6匹の子供が6匹の子供を産むと、36匹のハムスターが誕生します。
36匹のハムスターが6匹のハムスターを産むと、216匹になります。1年に満たない間でこれくらい繁殖するのです。
私は過去無知だったころ繁殖のコントロールがきかなくなり、実に30匹ほどのハムスターに囲まれて暮らしたことがあります。
子供たちを引き取ってもらうことに大変苦労しましたので、計画をもって繁殖してください。
共食いに注意
出産後、母親のメスハムスターが子供を共食いすることがあります。
共食いをする原因は、子供が多い場合、適切に世話ができる数に調整する目的で、体の弱い子などをあえて殺す習性があるためです。
私は過去に無知だったころ、一度だけ共食いさせてしまったことがあります。
極力刺激しないようにしたのが逆にあだとなり、共食いを止められませんでした。
翌朝ケージ内を見ると、子供が1匹減っており、骨だけが残されていたのです。
共食いを防止するには、十分な餌・水・巣材を準備し、極力ストレスを与えず、子供に触れず、掃除もしないことです。
それでも共食いを止めることはなかなか難しく、もし発生してしまった場合は自分を責めないでください。
子供に毛が生えて目が開いたら
子供ハムスターはあっと今に成長します。
最初の頃は目も目も開いておらず体毛もないため、巣から這い出しては母親に連れ戻されるという光景が繰り返されます。
生後1週間~2週間ほどで毛が生え目が開きます。
1か月もたてば、ペットショップで売られている状態と変わらなくなります。通常通りお世話を開始して問題ありません。
以上が出産となります。
まとめ
いかがでしたか?今回はハムスターの繁殖についてみてきました!
今回のまとめです。
1:繁殖前に、オスメスのハムスターとケージを2つ準備する。
2:ケージを近づけた後、柵越しにお見合いをさせる。
3:メスが発情期になったら、交尾をさせる。
4:交尾後はケージを戻し、妊娠中は刺激しない。
5:出産中は手を出さない。
6:出産後は、大量出産、共食いに注意する。
以上です!!
次回はハムスターの共食いを防ぐ方法です!!どうぞご覧ください!